おしゃれリビングを造る5つのコツ – 沖縄リノベ
OREXブログ編集部

沖縄でリノベーションを検討する際、家族が集まる「リビング」は、最もこだわりたい空間の一つです。
「カフェ風の空間にしたい」「ホテルのような高級感が欲しい」など、理想のイメージは膨らみます。
しかし、ただ見た目のおしゃれさだけを追求すると、「実際に暮らしてみたら使い勝手が悪い」「沖縄の気候に合わず、すぐにカビが発生してしまった」といった失敗にも繋がりかねません。
この記事では、沖縄で「おしゃれなリビング」を実現するために欠かせない、デザインの具体的なコツや、沖縄ならではの注意点を、5つのポイントに分けて具体的に見ていきましょう。
ポイント1:空間を「広く」見せる設計のコツ
おしゃれなリビングの多くは、「開放感」を持っています。限られた面積でも、リノベーションの工夫次第で空間を広く、おしゃれに見せることが可能です。
LDK一体化と「構造壁」の注意点
最も効果的なのは、リビング、ダイニング、キッチン(LDK)を隔てていた間仕切り壁を撤去し、一つの広々とした空間にする方法です。
ただし、ここで沖縄の住宅リノベーション特有の注意点があります。沖縄に多い鉄筋コンクリート(RC)造の建物には、絶対に撤去できない「構造壁」(建物を支える壁)と、撤去できる「間仕切り壁」(コンクリートブロックや軽量鉄骨などで作られた壁)が存在します。
もし、リビングと和室の間の壁が「構造壁」だった場合、その壁は撤去できません。この判断は専門家でなければ難しいため、間取り変更を希望する場合は、必ずリノベーション会社に事前の「診断」を依頼してください。
視線が抜ける「間仕切り」の工夫
構造上どうしても壁が必要な場合や、空間をゆるやかに区切りたい場合でも、工夫次第で開放感を出すことができます。
- ガラスの間仕切り: リビングと書斎の間などを、天井までのガラス壁(室内窓)で仕切る方法です。視線が奥まで抜けるため、空間の広がりを感じさせます。
- 格子(ルーバー): 木や金属の細い格子で仕切る方法です。光と視線を通しつつ、空間にリズムとデザイン性を加えることができます。
床と壁の色選び
色は、空間の広さに最も影響を与える要素です。 基本は、床・壁・天井を「明るい色」(白、アイボリー、ライトグレー、明るい木目調など)で統一することです。明るい色は光を反射し、空間全体を広く見せる効果があります。
床から壁、天井へと色を繋げることで、空間の境界が曖昧になり、より一層の広がりを感じさせることができます。
ポイント2:人気のデザインテイスト3選と実現のヒント
「おしゃれ」の方向性を決めるのがデザインテイストです。沖縄で特に人気の高い3つのスタイルと、それを実現するヒントを解説します。
テイスト1:カフェ風・ナチュラルスタイル
温かみのある木材や、漆喰(しっくい)などの自然素材を使い、リラックスできる空間を目指すスタイルです。
- 床: 無垢材(むくざい)のフローリングや、木目の美しいフロアタイルを採用します。
- 壁: 真っ白なビニールクロスではなく、少し質感のある塗装仕上げや、珪藻土(けいそうど)などの塗り壁を選ぶと雰囲気が出ます。
- キッチン: 「見せる」ことを意識したオープン棚や、カウンターキッチンが中心となります。
- 照明: カウンター上には、デザイン性のある「ペンダントライト」を複数吊るすのが定番です。
テイスト2:ホテルライク・モダンスタイル

高級感と非日常感をテーマにした、生活感のない洗練されたスタイルです。
- 色使い: 白、黒、グレーといった「モノトーン」を基調に構成します。
- 素材: 床には光沢のある「タイル」や「石目調」のフロアタイル、壁には大判のタイルや質感のあるアクセントクロスを使用します。
- 収納: 成功の鍵は「徹底した収納」です。テレビボードは壁掛けにし、収納はすべて扉付き(プッシュオープンなど)にして、生活感を徹底的に隠します。
- 照明: ポイント3で解説する「間接照明」を多用し、壁や天井を照らして空間の陰影を際立たせます。
テイスト3:沖縄リゾート・沿岸スタイル
沖縄の風土を活かし、海辺のリゾートのような開放感を演出するスタイルです。
- 色使い: 白を基調に、沖縄の海や空を思わせる「青」や「ターコイズブルー」をアクセントカラーとして使います。
- 素材: 無垢材や、琉球石灰岩(りゅうきゅうせっかいがん)を模したタイルなど、自然の素材感を大切にします。
- 家具: ラタン(籐)やリネン(麻)など、涼しげな素材の家具がよく合います。
- 開放感: 窓を大きく取り、外の光と風を最大限に取り込めるような設計が理想です。
ポイント3:空間の質を決める「照明計画」
おしゃれなリビングと、そうでないリビングの最大の違いは「照明」にあると言っても過言ではありません。
「一室多灯」で空間に陰影をつくる
日本の住宅で一般的な、部屋の真ん中に一つだけある「シーリングライト」は、空間全体を均一に明るく照らしますが、単調でのっぺりとした印象になりがちです。

おしゃれな空間を演出する鍵は「一室多灯」です。これは、一つの部屋に複数の照明を分散して配置し、必要な場所を必要なだけ照らす考え方です。これにより空間に「明るい場所」と「暗い場所」(陰影)が生まれ、奥行きと上質な雰囲気が生まれます。
間接照明の種類と効果
- コーブ照明: 天井を折り上げて光源を隠し、光を天井に反射させる手法です。天井が実際よりも高く見え、空間に広がりと柔らかさをもたらします。
- コーニス照明: 壁の上部に光源を隠し、壁面を照らす手法です。壁の素材感(タイルや塗り壁など)を美しく浮かび上がらせ、空間をドラマチックに見せます。
- スポットライト(ダウンライト): 壁に飾ったアートや、観葉植物など、「見せたいモノ」をピンポイントで照らす照明です。空間に「フォーカルポイント(視線が集まる場所)」を作り出し、メリハリを生みます。
ポイント4:生活感を隠す「収納計画」
どれほど美しいデザインも、日々の生活感(郵便物、リモコン、掃除道具など)が溢れていては台無しです。おしゃれなリビングを維持するには、デザインと一体化した「収納計画」が不可欠です。
「見せる収納」と「隠す収納」のメリハリ
全てのモノを隠す必要はありませんが、雑多に見えるモノは徹底的に隠すべきです。
- 隠す収納: 日用品、書類、掃除機、子供のおもちゃなど、生活感の出るものは全て扉付きの収納に入れます。
- 見せる収納: お気に入りの本、雑貨、グリーンなど、「飾る」ものは、リビングのアクセントとしてオープン棚に厳選して置きます。
大容量の集中収納を設ける
リビングに小さな収納を点在させるよりも、一箇所に「大容量の集中収納」を設ける方が、空間はスッキリします。
- ウォークインクローゼット(WIC): リビング横に家族共用のWICを設ければ、上着やカバン、日用品のストックまですべて隠せます。
- 壁面収納: テレビボードと一体型の壁面収納を造作すれば、リビング周りの雑多なモノをすべて収納しつつ、空間の主役(フォーカルポイント)にもなります。
ポイント5:【沖縄必須】快適性(湿気・台風)との両立
おしゃれなデザインも、沖縄の気候に適応していなければ、数年で後悔することになります。特に「湿気」と「台風」への対策は、リビング設計の前提条件です。
湿気・カビ対策(断熱・換気・調湿建材)
沖縄は高温多湿なため、特にRC造の住宅は気密性が高い反面、湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすい弱点があります。
- 断熱: リノベーションの際、壁や天井に「断熱材」をしっかり施工することが、結露対策の基本です。
- 換気: デザインを優先して窓のない収納庫を作ったり、風通しの悪い間取りにしたりすると、カビの温床になります。24時間換気システムの導入や、空気の流れを計算した間取り設計が重要です。
- 調湿建材: 珪藻土やエコカラットに代表される「調湿建材」は、湿度が高い時には湿気を吸い、乾燥すると湿気を吐き出す機能があります。リビングのアクセントウォールや、クローゼット内部など、湿気がこもりやすい場所に採用すると効果的です。
台風・塩害対策(サッシ・窓の性能)
開放的なリビングにするために「大きな窓」を採用することは、沖縄では「台風」と「塩害」との戦いでもあります。
古いアルミサッシのままでは、台風時の強風や横殴りの雨に耐えられず、雨漏りの原因になったり、塩害ですぐに劣化したりする可能性があります。
おしゃれな大開口の窓を実現するには、その前提として、沖縄の風圧に耐え、高い水密性・気密性を持つ「高性能なサッシ・窓」を選定することが不可欠です。
まとめ:「おしゃれ」と「快適」は両立できる
沖縄でおしゃれなリビングを実現するリノベーションは、単に好みのデザインを真似するだけでは成功しません。
- 設計の工夫(広く見せる、照明、収納)
- デザインの選択(好みのテイスト)
- 沖縄の気候への適応(湿気、台風対策)
これら3つのバランスが取れて初めて、デザイン的にも美しく、何年経っても快適に暮らせる「本当におしゃれなリビング」が完成します。
まずは、ご自身の「憧れ」を整理すると同時に、沖縄の気候特性を熟知した専門家に、その夢を実現するための技術的な課題(構造壁の確認や湿気対策など)を相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
OREXでは、沖縄の気候風土を熟知した専門家が、お客様のライフスタイルに合わせたリノベーションのご相談を承っています。設計段階でのご不安があれば、お気軽にご相談ください。
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