沖縄のリノベでおしゃれなキッチン。成功する5つのデザインと対策

【OREXブログ編集部】
リノベーションにおいて、家の顔とも言えるのがキッチンです。
家族や友人と食卓を囲む機会が多いからこそ、単に料理を作る場所としてだけでなく、インテリアの一部として見せるおしゃれなキッチンにしたい、というご相談をよくいただきます。
しかし、雑誌やSNSで見かける素敵なデザインをそのまま取り入れようとすると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。沖縄の気候特有の湿気や、鉄筋コンクリート(RC)造ならではの構造的な制約があるからです。
この記事では、沖縄でデザイン性の高いおしゃれなキッチンを実現するために、見た目の美しさと実用性を両立させる5つのポイントを解説します。
ポイント1:沖縄の湿気に負けない素材選び
おしゃれなキッチンを目指す際、最初に直面するのが素材の壁です。
木製キッチンのリスクと対策

カフェ風のデザインなどで人気のある無垢材(天然木)を使ったキッチンは、温かみがあり非常におしゃれです。しかし、湿度が高い沖縄では、無垢材は湿気を吸って膨張したり、最悪の場合はカビが発生したりシロアリの標的になったりするリスクがあります。
木目のデザインを取り入れたい場合は、水や湿気に強い高圧メラミン化粧板などの木目調素材を選ぶか、あるいは無垢材を使うならウレタン塗装などでしっかりとした防水加工を施すことが必須です。
ステンレスとホーローの強み
沖縄の気候に最も適しているのは、ステンレスやホーローといった素材です。
プロの厨房のようなステンレスキッチンは、錆びにくく、カビやニオイが染み込まないため衛生的です。無機質でクールなデザインは、インダストリアル(工業的)なインテリアとも相性が良く、近年おしゃれなリノベーションで採用率が高まっています。
また、金属の表面にガラス質を焼き付けたホーローも、湿気に強く掃除がしやすい最強の素材の一つです。
ポイント2:開放感を生むレイアウトの工夫
おしゃれなキッチンの代名詞とも言えるのが、リビングと一体化したオープンキッチンです。
対面キッチンと配管の勾配問題
壁付けのキッチンを、リビングを見渡せる対面式に変更したいという要望は多いですが、ここで沖縄に多いRC造の注意点があります。
キッチンの位置を大きく移動させる場合、床下の排水管も延長する必要があります。水がスムーズに流れるための勾配(傾き)を確保しなければなりませんが、コンクリートの床(スラブ)に直接配管されている古い物件では、床の高さを上げないと配管スペースが確保できないことがあります。
無理な移動は排水不良や詰まりの原因になるため、リノベーション会社による事前の現地調査が欠かせません。
アイランドキッチンの回遊性
島のように独立したアイランドキッチンは、左右どちらからでもアクセスできるため、複数人で料理をする際も動線がスムーズです。

視線を遮る壁がないため圧倒的な開放感があり、キッチン自体がインテリアの主役になります。ただし、手元がリビングから丸見えになるため、常に片付けておく必要があります。整理整頓に自信がない場合は、手元だけ隠せる腰壁(こしかべ)を設けたペニンシュラ型も検討してみてください。
ポイント3:人気のデザインスタイル3選
沖縄のリノベーションで特に人気が高い、3つのデザインテイストを紹介します。
アメリカン・ヴィンテージスタイル
外国人住宅のような雰囲気を取り入れたスタイルです。
白いサブウェイタイルを壁面に貼り、取っ手にはアイアン(鉄)や真鍮(しんちゅう)のパーツを使用します。大型の海外製食洗機や、ガスオーブンを組み込むことで、本格的な洋風キッチンの雰囲気を演出できます。
ホテルライク・モダンスタイル
生活感を徹底的に排除した、高級ホテルのようなスタイルです。
全体をグレーや黒、ダークブラウンなどの落ち着いた色味で統一し、ワークトップ(天板)には石目調の素材やセラミックを使用します。照明をダウンライトや間接照明で構成することで、夜はバーのような大人な空間になります。
カフェ風・ナチュラルスタイル
明るく居心地の良いカフェのようなスタイルです。
白を基調に、明るい木目やモルタル風の素材を組み合わせます。天井からペンダントライトを吊るしたり、背面の棚にお気に入りの食器や雑貨を見せる収納として飾ったりすることで、自分らしさを表現できます。
ポイント4:造作かメーカー既製品かの選択
キッチンの作り方には、大きく分けて2つの方法があります。
自分だけのオリジナルを作る造作キッチン
造作(ぞうさく)キッチンとは、大工さんや家具屋さんに依頼してゼロから作るオーダーメイドのキッチンです。

サイズや素材を自由に決められるため、変形した間取りにもぴったり収めることができ、世界に一つだけのデザインが手に入ります。海外製の食洗機を入れたい、シンクとコンロの高さを変えたいといった細かなこだわりも実現可能です。ただし、メーカー製に比べて費用が高くなりやすく、工期も長くなる傾向があります。
機能性と掃除のしやすさならメーカー製
LIXILやTOTO、タカラスタンダードなどのシステムキッチンは、研究された家事動線や収納力、掃除のしやすさが魅力です。
最近ではデザイン性の高い高級ラインも増えており、一見すると家具のような美しいキッチンも選べるようになっています。また、メーカー保証がついているため、万が一の故障や不具合の際も安心です。
・LIXIL HP 「キッチン」
https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/
・TOTO HP 「キッチン・台所・システムキッチン・収納」
https://jp.toto.com/products/kitchen/
・タカラスタンダードHP 「キッチン・システムキッチン」
https://www.takara-standard.co.jp/product/system_kitchen
ポイント5:生活感を隠すパントリーの重要性
どれほどおしゃれなキッチンを作っても、食材や家電が溢れていては台無しです。
ストック事情に対応する収納計画
そこで重要なのがパントリー(食品庫)です。キッチンの横に畳1帖分でもパントリーを設けることができれば、水やお米、缶詰などのストックを全てそこに収納でき、キッチン周りを常にすっきり保てます。

家電を隠してデザインを保つ
電子レンジや炊飯器、トースターなどの調理家電は、どうしても生活感が出てしまうアイテムです。
これらをリビングから見えない位置、あるいは扉付きの背面収納の中に隠せるように設計することで、モデルルームのようなすっきりとしたキッチンを維持できます。
まとめ:デザインと気候対策の両立が鍵
沖縄でおしゃれなキッチンリノベーションを成功させるためには、単に好みのデザインを選ぶだけでは不十分です。
- 湿気に強い素材を選ぶ
- 構造に合ったレイアウトを考える
- 好みのスタイルを明確にする
- 造作かメーカー製かを検討する
- 十分な収納計画を立てる
これら5つのポイントを押さえつつ、沖縄の気候風土を理解した専門家と相談しながらプランを進めることが、長く愛せるキッチンを作る近道です。
OREXでは、デザイン性と実用性を兼ね備えたリノベーションプランをご提案しています。理想のキッチンを実現するために、まずはお気軽にご相談ください。
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