沖縄でホテルライクな洗面台を作る。生活感を消し、非日常を保つ5つの法則

【OREXブログ編集部】

朝起きて顔を洗うとき、夜眠る前に歯を磨くとき。毎日必ず使う洗面所が、高級ホテルのように美しく整えられた空間だったら、日常はもっと豊かになるはず。

沖縄でのリノベーションにおいて、ホテルライクな洗面所というオーダーは非常に人気があります。しかし、単に豪華な素材を使えば良いというわけではありません。

特に沖縄では、水質の問題(石灰分による水垢)や湿気対策を無視してデザインだけで選んでしまうと、完成直後は綺麗でも、すぐに汚れやカビに悩まされることになります。

本当の意味でホテルライクな空間とは、見た目が良いだけでなく、その美しさを無理なく維持できる機能性が備わっていることです。

この記事では、沖縄の住宅環境に適した、美しさと実用性を兼ね備えたホテルライクな洗面所を作るための5つの法則を解説します。


ホテルライクな洗面所の最大の特徴は、家具のような佇まいです。それを実現するために最も効果的なのが、洗面台を床から浮かせて壁に固定するフローティングデザイン(フロートタイプ)です。

視覚的な広がりと掃除のしやすさ

床面に接する収納扉や台輪(だいわ)をなくし、足元を空間にすることで、部屋全体が広く見える視覚効果があります。

また、床に障害物がないため、掃除機やフローリングワイパーが奥まで届きやすく、日々のお掃除が劇的に楽になります。ルンバなどのお掃除ロボットとも相性が抜群です。

湿気が溜まりやすい足元の通気性確保

沖縄のRC住宅では、湿気が床付近に溜まりがちです。

木製の洗面台を床に直接置くと、湿気で底板が傷んだり、裏側にカビが生えたりするリスクがありますが、浮かせているデザインなら空気が常に循環するため、衛生的にも理にかなっています。


沖縄の水道水は硬度が高く、カルシウムやマグネシウムなどの石灰分を多く含んでいます。これが乾燥すると白い鱗状の汚れ(水垢・スケール)となり、洗面所の美観を損なう最大の敵となります。

黒いカウンターやガラスボウルの落とし穴

ホテルのようなシックな雰囲気を求めて、黒や濃いグレーのカウンター、あるいは透明なガラス製の洗面ボウルを選びたいという要望をよくいただきます。

しかし、色の濃い素材や透明な素材は、乾いた白い水垢が非常に目立ちます。毎日拭き上げる覚悟があれば良いですが、そうでない場合は、あっという間に生活感が出てしまいます。

シームレス接合とメラミン素材の強み

メンテナンスを楽にしつつ高級感を出すなら、石目調や木目調のメラミン化粧板と、ボウルが一体化したシームレスなデザインがおすすめです。

最近のメラミン素材は本物の石と見分けがつかないほど質感が向上しており、水や傷にも非常に強いです。白やベージュ系、あるいは複雑な模様が入ったグレー系を選ぶことで、水垢を目立たなくさせることができます。


ホテルのスイートルームや海外の住宅でよく見かけるのが、洗面ボウルが2つ並んだダブルボウルです。

忙しい朝を変える2つの洗面器

共働きのご夫婦や、通学時間が重なるお子様がいるご家庭では、朝の洗面所は戦場になりがちです。

ダブルボウルを採用することで、隣で誰かが歯を磨いていても、気兼ねなく洗顔やメイクができます。このゆとりこそが、精神的なホテルライクを生み出します。

メイクカウンターとしても機能するワイドカウンター

ボウルを1つにして片側に寄せる片寄せ配置にし、残りのスペースを広いメイクカウンターとして使う方法もおすすめです。椅子を置けば、座ってゆっくりと身支度ができるパウダールームになります。


どんなにおしゃれな洗面台を作っても、歯ブラシ、歯磨き粉、整髪料、ドライヤーなどが出しっぱなしになっていては台無しです。ホテルライクの鉄則は生活感を隠すことです。

歯ブラシとドライヤーの指定席

鏡の裏が収納になっているミラーキャビネットを採用し、細々としたアイテムはすべてその中に隠します。

重要なのは、ドライヤーやシェーバーをコンセントに繋いだまま収納できるスペースを作ることです。使うたびにコードを束ねて片付けるのは面倒ですが、扉の中にコンセントを設置しておけば、ワンアクションで片付き、カウンターの上には何もない状態をキープできます。

壁面を凹ませるニッチ収納の活用

壁の厚みを利用して作るニッチ棚も有効です。

洗面ボウルの横の壁を少し凹ませて、そこにハンドソープやティッシュボックスがぴったり収まるスペースを作れば、カウンターの上をすっきりと保つことができます。


ホテルの洗面所が素敵に見える大きな要因は、照明の使い方にあります。天井の真ん中に白い蛍光灯が一つあるだけでは、雰囲気は出ません。

顔を美しく照らすミラーライト

鏡の左右や上下に照明を埋め込んだり、ブラケットライトを設置したりすることで、顔に影を作らず、メイクや髭剃りがしやすくなります。

電球の色は、温かみのある電球色(約3000K)か、自然光に近い温白色(約3500K)を選ぶと、肌の色が綺麗に見え、リラックス効果も高まります。

足元や天井の間接照明で奥行きを作る

フロートタイプの洗面台の下や、天井のカーテンボックスなどに間接照明(コーブ照明・コーニス照明)を仕込むと、空間に奥行きと浮遊感が生まれます。

夜中にトイレに起きた際も、眩しすぎない優しい光で足元を照らしてくれるため、機能的にも優れています。


沖縄でホテルライクな洗面所リノベーションを成功させるためには、デザインの美しさと、沖縄特有の環境への対策を両立させることが不可欠です。

  1. フロートデザインで広がりと通気を
  2. 水垢が目立たない素材選び
  3. ダブルボウルまたは広々カウンター
  4. 徹底した隠す収納
  5. 雰囲気を作る間接照明

この5つの法則を取り入れることで、洗面所は単なる水回りから、一日の始まりと終わりを心地よく過ごすための特別な場所に変わります。

OREXでは、造作家具のノウハウと、沖縄の住宅事情を知り尽くした設計力で、あなただけの理想のパウダールームをご提案します。まるでホテルに暮らすような日常を手に入れたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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