沖縄の外壁塗装が剥がれる原因とは?塩・熱・水から家を守るプロの対策

【OREXブログ編集部】
「外壁塗装をしてまだ3年なのに、ポロポロと塗膜が剥がれてきた」 「壁の一部が風船のように膨らんで、破れてしまった」
沖縄の住宅において、こうした塗装の早期剥離トラブルは後を絶ちません。安くない費用をかけてメンテナンスしたのに、すぐにダメになってしまうのはなぜでしょうか?
その原因の多くは、塗料の品質以前に、沖縄特有の環境要因(塩・熱・水)に対する「下地処理」と「塗料選定」のミスにあります。
この記事では、外壁塗装後に沖縄のコンクリート住宅で塗装が剥がれてしまう「3つの主な原因」と、それを防ぐために施工店に確認すべき対策について解説します。
目次
- 真犯人①:「塩分」の残留による結晶化
- 真犯人②:「蓄熱水蒸気」による塗膜の風船化
- 真犯人③:見落とされがちな「乾燥不足」
- 最悪のケース:「爆裂(ばくれつ)」の前兆かも?
- まとめ:塗装の寿命は「塗る前」に決まる
真犯人①:「塩分」の残留による結晶化
沖縄で最も多い剥がれの原因、それは「塩害(えんがい)」です。 海に囲まれた沖縄では、常に潮風が建物に吹き付けています。目に見えなくても、外壁の表面には塩分がびっしりと付着しています。
なぜ剥がれるのか?
塗装前の「洗浄」が不十分だと、壁に塩分が残ったまま新しい塗料を塗ることになります。 すると、塗膜の下に残った塩分が空気中の湿気を吸って「結晶化」し、体積が増えます。この結晶が内側から塗膜を押し上げ、ペリペリと剥がれさせてしまうのです。
対策:徹底的な高圧洗浄

これを防ぐ唯一の方法は、塗装前の「高圧洗浄」を徹底することです。 単に水をかけるだけでなく、こびりついた塩分や古い塗膜の粉(チョーキング)を完全に洗い流す必要があります。見積もりの際は、洗浄工程に十分な時間が割かれているか確認しましょう。
真犯人②:「蓄熱水蒸気」による塗膜の風船化
「壁の一部がプクッと膨れている」 この現象は、沖縄の強い日差しとコンクリートの性質が引き起こす「蓄熱水蒸気膨れ」と呼ばれるものです。
「弾性塗料」の落とし穴

沖縄のコンクリート住宅は、雨水を吸い込みやすく、日中は太陽熱で高温になります。 この時、ひび割れ対策としてよく使われる「ゴムのように伸びる塗料(弾性塗料)」を安易に使用すると、コンクリート内部の水分が熱で気化して水蒸気になった際、逃げ場を失ってしまいます。 行き場を失った水蒸気は、ゴム風船のように塗膜を押し広げ、最終的に破裂して剥がれの原因となります。
対策:「透湿性」のある塗料を選ぶ
湿度の高い沖縄では、ただ水を弾くだけでなく、「壁の中の湿気を外に逃がす機能(透湿性)」を持った塗料を選ぶことが極めて重要です。 「微弾性フィラー」などの透湿性を確保した下塗り材や、通気性のある塗料を選定することで、膨れのリスクを大幅に軽減できます。
真犯人③:見落とされがちな「乾燥不足」
工期を急ぐあまりに起きる失敗が「乾燥不足」です。
水分は塗料の大敵
高圧洗浄で壁を洗った後、あるいは雨が降った直後に、壁が十分に乾ききらないまま塗装をしてしまうと、閉じ込められた水分が塗膜の密着を阻害し、早期の剥がれを引き起こします。 特に沖縄のコンクリート(RC造)や多孔質の琉球石灰岩などは水分を溜め込みやすいため、表面が乾いていても内部が湿っていることがよくあります。
対策:工期には余裕を持つ
「洗浄の翌日にすぐ塗装」といった過密スケジュールは危険です。気候や壁の状態に合わせて、十分な乾燥期間(養生期間)を設けてくれる業者を選びましょう。
最悪のケース:「爆裂(ばくれつ)」の前兆かも?
塗装の剥がれが、単なる塗膜の問題ではなく、建物自体の危険信号である場合もあります。それが「コンクリートの爆裂」です。
内部からの破壊

ひび割れ(クラック)から雨水や塩分が浸入し、コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張すると、その圧力でコンクリート自体が内側から破壊され、塊ごとはがれ落ちます。 塗装が部分的にポコッと浮いている場合、その下で鉄筋爆裂が進行している可能性があります。この場合は、塗装だけでなく左官工事による補修が必須です。
まとめ:塗装の寿命は「塗る前」に決まる

沖縄での外壁塗装が成功するかどうかは、高い塗料を使うことよりも、「塗る前の準備(下地処理)」で9割が決まります。
- 塩分を完全に洗い流す洗浄
- 湿気を逃がす透湿性塗料の選定
- 内部の水分を抜く十分な乾燥
OREXでは、沖縄の建物を守るために、事前の建物診断(打診検査や水分量の確認)を徹底し、現在の壁の状態に最適な「剥がれない塗装プラン」をご提案します。 「うちの壁、塗り替えても大丈夫?」と不安な方は、剥がれの原因を特定するためにも、まずはプロの診断をご利用ください。
OREX 外壁塗装・防水工事ページ:https://renov.orex.okinawa/exteriorwall/