沖縄で集客できる飲食店デザインとは?成功へ導く4つの設計戦略

【OREXブログ編集部】
「沖縄でカフェを開きたい」 「地元の人にも観光客にも愛される居酒屋を作りたい」
沖縄での飲食店開業は多くのオーナー様の夢ですが、同時に競争が激しいエリアでもあります。料理の味が美味しいことは大前提として、お客様が「入ってみたい」「また来たい」と思うかどうかは、店舗のデザインと居心地に大きく左右されます。
しかし、沖縄の店舗デザインは、本土と同じ感覚で進めると失敗するリスクがあります。強烈な紫外線、湿気、台風といった過酷な気候条件をクリアしつつ、魅力的な空間を作らなければならないからです。
この記事では、沖縄で長く愛され、集客できる飲食店を作るために押さえておくべき「4つの設計戦略」を、専門家の視点から一つずつ解説します。
目次
- 戦略1:ターゲットを明確にした「コンセプト」の視覚化
- 戦略2:SNSで拡散される「フォトジェニック」な仕掛け
- 戦略3:沖縄の気候に負けない「快適性」の確保
- 戦略4:開業資金を左右する「費用変動」の要因
戦略1:ターゲットを明確にした「コンセプト」の視覚化
集客できる店舗デザインの第一歩は、「誰に来てほしいか」を明確にすることです。沖縄の場合、大きく分けて「観光客」と「地元客」という2つのターゲットが存在し、それぞれ響くデザインが異なります。
「観光客」と「地元客」で求められる空間は違う
- 観光客向け: 「非日常」や「沖縄感」を求めます。海が見えるロケーション、赤瓦や琉球石灰岩を使った内装、南国植物を配したリゾート感あふれるデザインが好まれます。
- 地元客向け: 「居心地の良さ」や「使い勝手」を重視します。模合(モアイ)や家族での食事に対応できる個室や座敷、あるいは仕事帰りに一人でも立ち寄りやすいモダンなカウンター席など、日常に溶け込む機能的なデザインが求められます。
両方を狙う場合でも、どちらに軸足を置くかで、席の配置(ゾーニング)や内装の素材選びが変わってきます。
「沖縄らしさ」を現代風にアレンジする
「沖縄らしさ」といっても、コテコテの民家風にする必要はありません。近年人気なのは、沖縄の伝統素材をモダンに解釈したスタイルです。
- 琉球石灰岩×間接照明: ザラッとした石の質感を照明で浮かび上がらせ、高級感を演出する。
- やちむん(焼き物)×造作手洗い: トイレの手洗いボウルに沖縄の陶器を使い、細部にこだわりを見せる。
こうした「さりげない沖縄感」は、感度の高い観光客と地元客の双方に受け入れられやすい傾向があります。
戦略2:SNSで拡散される「フォトジェニック」な仕掛け
現代の飲食店において、InstagramなどのSNSは最強の集客ツールです。お客様が「写真を撮って投稿したくなる」仕掛けを、設計段階から組み込むことが重要です。
光と影を操る「花ブロック」の活用
沖縄独自の建材である「花ブロック」は、機能性とデザイン性を兼ね備えた優秀なアイテムです。 風を通し、直射日光を遮りながら、時間によって変化する「美しい影」を店内に落とします。
外観のアクセントとしてだけでなく、インテリアやカウンターの腰壁として取り入れるのも人気です。


花ブロックを使った壁面の装飾(リメロ北谷店: https://www.remelo.jp)
思わず写真を撮りたくなる「フォーカルポイント」
店内のどこを切り取っても絵になるのが理想ですが、予算には限りがあります。そこで重要なのが、視線が集まる「フォーカルポイント」を作ることです。
- 入り口の看板やネオンサイン: お店のロゴを背景に写真を撮れるスペースを作る。
- 特徴的な壁面: 一面だけ色を変えたり、アートを描いたりして、料理写真を撮る際の背景として機能させる。
「ここで写真を撮ると可愛く映る」という場所を意図的に作ることで、お客様が自然と宣伝マンになってくれます。
戦略3:沖縄の気候に負けない「快適性」の確保
どれだけおしゃれなデザインでも、店内がカビ臭かったり、エアコンが効かなくて暑かったりすれば、リピーターはつきません。沖縄特有の過酷な環境への対策は、デザイン以上に重要です。
デザインを損なわない「湿気・カビ対策」
沖縄は高温多湿であり、特に飲食店は厨房で火や水を使うため、湿気がこもりやすくなります。
- 調湿建材の採用: 珪藻土やエコカラットなど、湿気を吸放出する壁材を使用することで、カビの発生を抑えつつ、上質な雰囲気を演出できます。
- 換気計画の徹底: デザインを優先して換気扇の数を減らしたり、吸気口の位置を適当にしたりすると、店内の空気が淀み、結露やカビの原因になります。
「塩害」に強いファサード(外観)計画
海沿いの店舗はもちろん、沖縄全域で注意が必要なのが「塩害」です。おしゃれな鉄製の看板やサッシを採用しても、防錆対策が不十分だと数ヶ月で錆びてボロボロになり、お店のイメージを損ないます。
- 素材選び: ステンレスやアルミ、木材など、錆に強い素材を選ぶ。
- 塗装: フッ素塗料などの高耐久な塗料でコーティングする。
メンテナンスの手間とコストを長期的な視点で考え、デザインに落とし込むことが大切です。
戦略4:開業資金を左右する「費用変動」の要因
飲食店の内装工事費は、物件の状態や設備のグレードによって大きく変動します。「安く済ませたい」と考える場合、以下の要因を理解しておく必要があります。
「スケルトン」と「居抜き」のメリット・デメリット
- スケルトン物件(内装が何もない状態):
- メリット: ゼロから自由に設計できるため、コンセプトを完璧に実現できます。
- デメリット: 設備を一から揃えるため、初期費用は高くなります。
- 居抜き物件(前の店の内装・設備が残っている状態):
- メリット: 厨房機器や空調、トイレなどを流用できれば、費用を大幅に抑えられます。
- デメリット: 厨房の位置やレイアウトが変えられないことが多く、動線やデザインに制限が出ます。また、配管や防水の劣化が見えない部分で進行しているリスクもあります。
厨房機器と空調設備のグレード
内装費の中で大きなウェイトを占めるのが設備機器です。 すべて新品で揃えるのか、中古品やリースを活用するのか。また、客席に見える部分の空調はデザイン性の高いものにし、厨房は機能重視のものにするなど、メリハリをつけることでコストをコントロールできます。
まとめ:デザインは最大の「広告」である

スナックロマンチック久茂地店: https://snack-romantic.com/shop-kumoji.html
沖縄で集客できる飲食店のデザインとは、単に流行りを追うことではありません。
- 誰に来てほしいかを明確にし(コンセプト)
- SNSで拡散される仕掛けを作り(フォトジェニック)
- 沖縄の気候でも快適に過ごせる環境を整え(機能性)
- 予算の中でメリハリをつける(コスト管理)
この4つの戦略をバランスよく組み合わせることが、繁盛店への近道です。店舗デザインは、一度作れば24時間365日、お店の魅力を発信し続ける「最大の広告」となります。
OREXでは、沖縄での飲食店開業を目指すオーナー様の「想い」を形にするため、物件探しのアドバイスからデザイン・施工まで、トータルでご相談を承っています。コンセプト作りで迷われた際は、ぜひお気軽にお声がけください。
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